
2026年04月09日
4〜6月は資金繰りが苦しくなりやすい? 個人事業主・中小企業が見落としがちな支払時期と対策
事業を続けていると、「売上はあるのに、なぜか手元資金が足りない」という場面に直面することがあります。
特に注意したいのが、4〜6月にかけての時期です。
この時期は、確定申告後の納税や春先の支払いが重なりやすく、個人事業主・中小企業にとって資金繰りが苦しくなりやすいタイミングです。実際、国税庁では申告所得税および復興特別所得税の確定申告分の法定納期限を2026年3月16日、振替納税日を2026年4月23日、消費税および地方消費税の確定申告分の法定納期限を2026年3月31日、振替納税日を2026年4月30日と案内しています。
今回は、4〜6月に資金繰りが厳しくなりやすい理由と、事前にできる対策をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 4〜6月に資金繰りが苦しくなりやすい理由
- 見落としがちな支出や資金ショートの原因
- 春先の資金繰り悪化を防ぐ具体的な対策
- 売掛金を活用した早めの資金確保の考え方
なぜ4〜6月は資金繰りが苦しくなりやすいのか
4〜6月は、売上が急減していなくても資金が出ていきやすい時期です。
理由はシンプルで、まとまった支払いが重なりやすいからです。
たとえば個人事業主であれば、確定申告にともなう所得税や消費税の納付が発生します。口座振替を利用している場合でも、実際の引き落としは4月下旬に行われるため、「3月を乗り切ったから安心」とは言えません。
また、事業者によっては次のような支出も重なります。
- 外注費や仕入れ代金の支払い
- オフィスや店舗の家賃
- 人件費や社会保険関連の支払い
- 新年度開始にともなう採用費、広告費、設備費
- ゴールデンウィーク前後の資金確保
つまり、春は「売上が入る前に、先にお金が出ていく」構造になりやすいのです。
見落としがちな資金繰り悪化のパターン
資金繰りが悪化する企業や個人事業主には、いくつか共通点があります。
1. 売上の入金サイトが長い
請求書を発行してから実際の入金まで30日、60日、あるいはそれ以上かかるケースは珍しくありません。
その間にも、仕入れや人件費、税金などの支払いは先にやってきます。
とくにBtoB取引が中心の事業では、売上は立っているのに現金がまだ入っていないという状態が起こりやすく、これが資金ショートの原因になります。
2. 納税資金を別管理していない
確定申告後に慌てる方の多くは、納税分を日頃から分けて管理できていません。
売上が入った時点では手元資金に余裕があるように見えても、その中には本来納税に充てるべきお金も含まれています。
この区別があいまいだと、4月以降に一気に資金が減ってしまいます。
3. 新年度の出費を想定できていない
4月は新年度の始まりでもあるため、広告出稿、採用関連費、備品購入、システム更新など、通常月より支出が膨らむことがあります。
「今月だけは少し多めに出ていく」という支出が重なると、納税時期とぶつかって資金繰りが急に苦しくなることがあります。
4. ゴールデンウィーク前後の資金移動を甘く見ている
連休前後は、営業日や入金タイミングが通常とずれることがあります。
その一方で、給与や固定費の支払いは待ってくれません。
そのため、4月下旬から5月にかけては、普段以上に手元資金の残高確認が重要です。
注意したいポイント
資金繰り悪化は、売上不振だけが原因ではありません。
「支払いのタイミングが重なること」そのものがリスクになるため、春先は特に注意が必要です。
4〜6月の資金ショートを防ぐための対策
では、どうすればこの時期を乗り切りやすくなるのでしょうか。
重要なのは、「苦しくなってから動く」のではなく、早めに準備することです。
資金の出入りを月単位で見える化する
まず行いたいのが、今後2〜3か月の入出金予定の整理です。
おすすめなのは、次の項目を書き出すことです。
- いつ、いくら入金されるのか
- いつ、いくら支払うのか
- 税金や固定費はいくら必要か
- 一時的に増える支出は何か
これだけでも、「今月は大丈夫だが、来月末が危ない」といったことが把握しやすくなります。
納税資金を普段の運転資金と分ける
納税予定額は、普段使う口座とは別で管理しておくのが理想です。
口座を分けるだけでも、「使ってはいけないお金」に手をつけにくくなります。
日頃から売上の一部を納税用として確保しておけば、春先の負担感はかなり変わります。
支払いの優先順位を整理する
すべてを同時に完璧にこなそうとすると、かえって判断が遅れます。
まずは、事業継続に直結する支払いから優先順位をつけましょう。
- 人件費
- 家賃
- 仕入れ
- 税金
- 広告費や任意の投資
このように整理しておくことで、必要以上の資金流出を防ぎやすくなります。
早めに資金調達の選択肢を確認する
資金が尽きそうになってからでは、選べる方法が限られやすくなります。
だからこそ、まだ余裕があるうちに、どんな資金調達手段があるのか確認しておくことが大切です。
融資だけでなく、売掛金を活用して早期に資金化する方法も、状況によっては有効な選択肢になります。
売掛金があるなら、早めの資金化という考え方もある
「売上は立っているが、入金が先」という状況で悩んでいるなら、売掛金の早期資金化を検討する余地があります。
特に、次のようなケースでは資金繰り改善の一手になり得ます。
- 入金サイトが長い
- 税金や固定費の支払いが近い
- 一時的にキャッシュが足りない
- 仕入れや外注費を先に支払う必要がある
資金繰りで大切なのは、単に「お金を借りるかどうか」ではなく、支払いのタイミングに間に合う形で現金を確保できるかです。
その視点を持つだけでも、判断の幅は大きく広がります。
こんな方は早めの対策がおすすめです
- 売上はあるのに、入金まで時間がかかる
- 税金や固定費の支払いが近づいている
- 外注費・仕入れの支払いが先行している
- 一時的な資金不足を早めに解消したい
4〜6月は“あとで何とかする”が危険
春先は、確定申告が終わるとひと息つきたくなる時期です。
しかし実際には、その後に納税の引き落としや各種支払いが控えているため、油断しやすいタイミングでもあります。
国税庁が案内しているとおり、2026年は申告所得税の振替日が4月23日、消費税の振替日が4月30日です。法定納期限を過ぎた場合には延滞税などの負担が生じる可能性もあるため、支払い予定は早めに確認しておく必要があります。
「まだ大丈夫」と思っていたのに、気づけば月末の支払いが厳しい。
こうした事態を防ぐためにも、4〜6月はいつも以上に慎重な資金管理が求められます。
まとめ
4〜6月は、個人事業主や中小企業にとって資金繰りが不安定になりやすい時期です。
その理由は、売上の有無ではなく、税金や固定費、仕入れなどの支払いタイミングが重なりやすいことにあります。
だからこそ重要なのは、次の3点です。
- 入出金の予定を早めに見える化すること
- 納税資金を別で管理すること
- 必要に応じて早めに資金調達の手段を検討すること
資金繰りは、苦しくなってからでは選択肢が狭まりがちです。
春先を安心して乗り切るためにも、いまのうちから手元資金の動きを見直してみてはいかがでしょうか。
資金繰りに不安を感じたら、早めの相談が大切です
「入金はあるけれど、支払いが先に来てしまう」「納税や固定費の支払いが重なって手元資金が不安」など、資金繰りの悩みは早めに対策することが重要です。
売掛金を活用した資金調達をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。


