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節税は大事。でも、脱税は絶対にNGです。

節税は大事。でも、脱税は絶対にNGです

「少しぐらいなら大丈夫だろう」
「経費にできそうなものは、とりあえず入れてしまおう」
そんな軽い気持ちが、後から大きな問題につながることがあります。

事業を続けていくうえで、節税はとても大切です。
無駄な税負担を減らし、資金繰りを安定させることは、経営判断として当然のことといえるでしょう。

しかしその一方で、脱税はまったく別の話です。
ルールに沿って税負担を軽くする「節税」と、意図的に申告をごまかして税金を免れようとする「脱税」は、似ているようで中身がまったく異なります。

しかも今は、国税庁のAI活用によって、税務の“監視の目”は以前より確実に厳しくなっていると考えたほうがよい時代です。
国税庁は令和6事務年度の法人税調査について、「AIも活用しながら、収集した資料情報や申告書を分析・検討し、調査必要度の高い法人を的確に抽出した」と公表しています。

つまり、以前のように広く薄く見るというより、AIで不自然な申告や違和感のある数字を絞り込み、重点的に見にいく方向へ変わってきているということです。

そこで本記事では、「節税は良いが、脱税は決してしてはいけない」というテーマで、AI時代の税務調査を踏まえながら、事業者の方が押さえておきたい基本的な考え方をわかりやすく整理してご紹介します。

この記事でわかること

  • 節税と脱税の違い
  • 国税庁のAI活用で、なぜ監視の目が厳しくなっているのか
  • AIに“不自然”と見られやすい申告の考え方
  • 事業者が今やっておきたい備え

節税と脱税は、似ているようでまったく違います

まず最初に押さえておきたいのが、節税と脱税は同じではないという点です。

節税とは、法律や制度の範囲内で、適切に経費計上をしたり、利用できる控除や特例を活用したりして、税負担を正しく抑えることです。
一方、脱税とは、売上を隠す、架空経費を計上する、帳簿を操作するなどして、本来納めるべき税金を不正に免れようとする行為です。

節税にあたる例

  • 使える制度を調べて正しく申請する
  • 必要経費を漏れなく計上する
  • 補助金・助成金や税制優遇を活用する

脱税にあたる例

  • 売上の一部を記録しない
  • 実際には払っていない費用を経費にする
  • 領収書を改ざんする
  • 私的な支出を事業経費に混ぜる

このように、税負担を軽くしたいという目的が同じでも、ルールの中で行うかどうかで意味は大きく変わります。

国税庁のAI活用で、「監視の目」は以前より厳しくなっています

ここは、今回いちばんお伝えしたいポイントです。
今の税務調査は、単に“運が悪いと当たるもの”ではなく、AIやデータ分析によって「調査すべき先」を絞り込む時代に入ってきています。

国税庁は、令和6事務年度の法人税調査について、AIも活用しながら、収集した資料情報や申告書を分析・検討し、調査必要度の高い法人を的確に抽出したと公表しています。さらに所得税・消費税の調査方針でも、収集した資料情報をさまざまな角度から分析し、悪質な納税者に厳正な調査を行うとしています。

つまり、「何となく怪しいから見る」のではなく、「数字・申告内容・資料の整合性をデータで見て、不自然な先を絞り込む」流れが強まっているということです。

AI活用時代の変化として意識したいこと

  • 売上や経費の数字の不自然さが見られやすい
  • 過去との比較だけでなく、業種や規模とのズレも意識されやすい
  • 帳簿・通帳・請求書・申告内容の整合性がより重要になる
  • “件数勝負”ではなく“狙い打ち型”に近づいている

実際に、令和6事務年度の法人税調査では、実地調査件数は5万4千件で前年より減少した一方、追徴税額は3,407億円に増加しました。さらに、1件当たりの追徴税額は直近10年で2番目の高水準です。これは、調査先の選定がより精緻になっていることを強く印象づけます。

参考URLでも、こうした流れを「AIで絞り込み、重点的に調査する方針への変化」として紹介しており、まさにいまは“監視の目が厳しくなっている時代”だと受け止めるべきでしょう。

こんな申告はAIにも「不自然」と見られやすいかもしれません

もちろん、実際の抽出基準がすべて公開されているわけではありません。
ただ、参考URLでも紹介されている考え方を踏まえると、次のような申告や経理処理は注意が必要です。

1. 売上の増減が不自然

前年まで順調だったのに、急に売上だけ大きく落ちている。
あるいは、入金状況と帳簿の数字が合っていない。
こうしたズレは、後から説明を求められやすくなります。

2. 経費率が同業と比べて極端に高い

同業他社や同規模事業者と比べて、経費割合が不自然に高い場合は注意が必要です。
本当に必要な支出であっても、根拠資料が弱いと疑義につながりやすくなります。

3. 雑費が多すぎる、内容があいまい

参考URLでも、雑費の多用は不自然さの一因として触れられています。
何に使ったお金なのかが説明しにくい科目ばかり増えていると、確認されるきっかけになりかねません。

4. 売上計上のタイミングが不自然

売上の計上を意図的に翌月にずらす、決算をまたいで調整する。
こうした処理は、資金繰りの都合があっても危険です。

5. 会社と個人のお金の流れに整合性がない

会社のお金と代表者個人のお金が混ざっている、帳簿と通帳の動きが一致しない、申告間で数字がズレている。
こうした状態は、AI以前に税務上かなり危険です。

よくある“危ない考え方”

「これは仕事でも使っているから全部経費でいいだろう」

私用と事業用が混ざる支出は、特に注意が必要です。
車両費、通信費、交際費、旅費などは、事業との関連性をきちんと説明できることが重要です。

「売上の計上を来月に回すくらいなら問題ないだろう」

意図的に売上の計上時期をずらす行為は、内容によっては重大な問題になります。
資金繰りが苦しくても、申告をごまかしてよい理由にはなりません。

「領収書がなくても、だいたい説明できる」

税務では、説明できること証拠があることは別です。
契約書、請求書、領収書、通帳記録、発注メールなど、裏付け資料が大切です。

「みんな多少はやっているのでは」

この考え方がいちばん危険です。
AI活用で調査の絞り込みが進む時代では、こうした“感覚”に頼るのは非常に危ういといえます。

節税をするなら「正しく」やることが大切です

ここで強調したいのは、節税そのものは悪いことではないという点です。
むしろ、事業を守るためには、制度を知り、使えるものを活用する姿勢はとても大切です。

正しい節税として考えたいこと

  • 必要経費を漏れなく整理する
  • 決算前に利益見込みを把握する
  • 利用できる税制や控除を確認する
  • 専門家に早めに相談する
  • 補助金・助成金など返済不要の制度も検討する

重要なのは、「税金を減らしたい」ではなく、「ルールの中で最適化したい」という発想を持つことです。

脱税は、お金だけの問題では済まないことがあります

脱税が発覚した場合、単に不足分の税金を払えば終わり、というわけではありません。
追加の税負担が発生するだけでなく、会社の信用にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

  • 取引先からの信頼低下
  • 金融機関との関係悪化
  • 今後の融資や資金調達への影響
  • 社内外への説明負担

一度傷ついた信用を取り戻すのは、簡単ではありません。
だからこそ、「少しぐらいなら」という判断をしないことが大切です。

いま事業者がやっておきたいこと

1. 帳簿と通帳、請求書の整合性を取る

数字がきちんとつながる状態を作っておきましょう。
「あとでまとめてやる」は危険です。

2. 会社と個人のお金を分ける

会社のお金と個人のお金が混ざると、説明が難しくなります。
私的支出の混在は避けるべきです。

3. 経費の根拠資料を残す

領収書だけでなく、請求書、契約書、メール、発注履歴、利用明細なども残しておくと安心です。

4. 苦しいときほど、ごまかさない

資金繰りが厳しいと、数字を少し動かしたくなる場面があるかもしれません。
しかし、そこで無理をすると、後でより大きな負担になりかねません。

5. 早めに専門家へ相談する

「これって経費になるのか」「この処理で問題ないか」と迷う段階で確認するのが理想です。
申告直前ではなく、日常の段階で相談できる体制があると安心です。

まとめ

節税は、事業を守るために大切です。
ですが、脱税は絶対にNGです。

特に今は、国税庁がAIも活用しながら申告内容や資料情報を分析し、調査すべき先をより的確に抽出する時代です。
「昔は見つからなかったかもしれない処理」でも、これからはそう簡単には済まない可能性があります。

だからこそ事業者に必要なのは、「バレない方法」を考えることではなく、正しく備えることです。

  1. 経費は正しく計上する
  2. 売上はきちんと申告する
  3. 書類を残す
  4. 迷ったら専門家に相談する

税金はできるだけ抑えたい。
その気持ちは当然です。
ただし、それはルールの中で行う節税であってこそ意味があります。

節税は賢い経営です。
でも、脱税は経営を壊しかねません。

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